「見てきた?」
一体何を?
ニコっと微笑むとなにごとも無かったかのように、椅子に座り込んだ。
「受け継ぎは何時から?」
唐突に質問を投げかけられ、頭が追いつかず、質問内容を頭でもう一度リピートした。
「え・・・あっ、今から一時間後です。」
壁にかけられている時計に目をやりながら答える。
「そう。じゃあ時間まで下がって良いよ。」
「かしこまりました。何かございましたら聖官の私にお申し付けください。…でわ、失礼いたします。」
これ以上、なにも問うこともなく、彼に背を向けて、隣の部屋へと急いだ。
なんなんだ。アイツ・・・・
あの猫のかぶりよう…
「俺と同じ…か・・・・。」
いけない、いけないっ。
ほっぺをペシペシ叩くと、早速、たまっている仕事に手をつけ始めた。
「……親父、最低でも自分の仕事ぐらい片付けてから引退しろよ・・・」
はぁ、とため息をし、肩を落としながら、机の上に山済みになっている書類を呆然と見詰め続けた。
β
「う〜〜、やっと半分片付いた…」
ふと時計を見るともう少しで約束の一時間になるところだった。
「やべっっ!そろそろ行かないとっっ!こりゃあ、今日は徹夜だな・・・」
そう思いつつ、部屋を出て、神のいる部屋のドアをノックした。
「はい。どうぞ」
ドアの向こうから声が聞こえ、ドアをゆっくり開ける。
「時間になります。準備してください。」
「はぁ。ほんと面倒、神になった初日は休ませてほしいっつの。」
耳についている赤いピヤスが外の光を吸い込み、反射していた。
「神…会ってばかりの私が言うのもなんですが、失礼を承知で言わせていただきます。、いつ、どんなときでも、敬語をお使いください。神はすべての物事、理(ことわり)を動かすものです、そのようないい加減では、いつかこの世界や、いく年いけるものすべてが滅んでしまいかねますよ?」
神に仕える者…聖官として、そこは引けないのだ。
神が間違えをおかしそうになったら、それを戻すのもまた聖官の役目。
そこら辺の心得は、いい加減な尚でも肝に銘じてはいるのだ。
「・・・そうだね。済まなかったよ。ありがとう。なに、君が誤ることではない。なんせ、聖官として私のために言っているのだから。でも、話を聞いていると、いい加減ではなかったら、敬語使ってもかまわないって事だよね?」
ニコっと微笑み、俺を見た。
は?なに言ってんだこのアホ神わ・・・・
まぁ、理屈はそうなるかもしれないが…どうすればこんなこと思うのだろうか。
つくづく頭の回るやつだな・・・。
そう思ったが、しっかりと言葉は戻っていたため、言い返すことはしなかった。
「でも、素の自分をずっと隠し続けるのは無理があるのだが。」
困ったように腕を組みうなる。
…それもそうだよな。俺でも、素をずっと隠し続けるのには無理がある。
「でわ、こうしましょう。」
条件を出した。
「しっかりと神としての役目をやるのなら私と二人きりのときは、タメ愚痴を許しましょう。これでどうですか?」
「うん。・・・いい条件だ。じゃあ私からも条件を出していいかい?」
え??条件??
どんな条件を俺にするつもりだ?
思いもよらない発言に動揺する俺。
落ち着けっ、聖官がこれしきのことで乱れては駄目だっ!
「私がちゃんと神としての仕事をする代わり、君も私と二人きりのときだけでいいから、敬語やめて、タメ口で話してくれる?」
「それは無理な条件ですね……まぁ、しょうがない、従いましょう。では、神、そろそろ時間です。行きましょう。」
「ああ。あのさ、」<<戻る 進む>>
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テーマ : 自作BL連載小説 - ジャンル : 小説・文学
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